Stayin' Alive

はるるんが140文字じゃ書ききれない気持ち

♪15の夜〜〜

15才の頃、夜の遅い時間に1人でバスを待っていた。

当時まだ国道沿いとはいえ、夜は街灯がポツポツとあるだけでたまに車が行き交う程度だった。

小雪がちらついていて、とにかく寒い夜だった。「早くバス、来ないかな」

すると黒いマークIIかセドリックが独特のマフラー音を響かせてバス停に止まった。

いかにもなシャコタンのヤンキー車。

「どこ行くの?」

「〇〇駅」

「何してんの?」

「バス待ってんの」当たり前じゃん!

「送って行くよ」

タダのタクシーと思えばラッキーだと思った。

シャコタン兄ちゃんはあまり背が高い感じはしなかった。

黒い髪に小さめのリーゼント。免許とったばかりなのか幼い顔をしてた。

車中は土禁だったみたいで「気にせんでー」と言ってくれた。

ダッシュボードはピンクのフワフワがひいてあって、バックミラーにはなんかジャラジャラぶらさかってた。

少しずつバス通りの街灯が増え明るくなって来た。私の嫌いなエアコンのモワッとした空気が気になりだした。

「かわいいのにあんな所で1人でいたら危ないよ」とナンパ兄ちゃんがいうベタな事を言ってきた。

「そんなことないよ」

 

その頃の私はこんな似たようなことばかりしていた。

「ご飯食べん?」

「奢ってくれるならいいよ」

 

「たこ焼き食べたい、雑誌もなんか買ってきてよ」はるばる買ってきてくれた人もいた。

 

幸いな事に嫌な思いをする事もなく、なんの事件に巻き込まれることもなく、運がよかったのか相手がいい人だったのか‥今だったら死んでたかもしれない。

 

私がそうやってフラフラ遊んでた時期、両親は離婚して私は母に引き取られ母は彼氏と楽しくやっていた。

母は彼氏に家の鍵を渡してたので、私は居場所がなくなり家に帰りたくなくなってしまってた。

 

夜に感じる自由さが好きだった。

 

駅に近づくにつれて街は明るくなってきた。

ファミレス、コンビニ、歩いてる人もわりといる。小雪はやんでいた。

「あ、ここでいい?」と車を停めてもらった。

「ねえ、名前と電話番号教えてよ」

私はいつものようにデタラメの名前と電話番号を教えた。

「ありがとう、本当にあってる?」

「うん、もちろん」

「オレ、女の子の名前と番号覚えるのが得意なんだ」

そう言ってお礼を言って別れた。

 

その後、友達と合流して遊びに行った。

「寒ーーい!」みんなでかたまりながら、騒いでいると雪が降ってきた。

何をするわけでもなく、みんなで歩きだした。「どこ行く?」

 

なんとなくさっきの兄ちゃんのモワッとしたエアコンのきいた車を思い出した。