Stayin' Alive

はるるんが140文字じゃ書ききれない気持ち

ラブホ2

ラブホ1の続き

高校1年の頃友達5人で、ラブホに泊まろうというくだらん作戦をたてた決行当日

 

お泊まりセット持参で放課後に例のラブホにやって来た。だいたいこういう時ってビビリがいて、入り口でまごまごしだす。なんとか説得してシャッターの開いてる部屋にダッシュ。

ちゃんと下調べをしたおかげでシャッターをしめるボタンを押した。

しばらくすると小さい小窓が開いて「休憩ですか?泊まりですか?」とおばちゃんに聞かれる。もちろん小窓からはお互い顔は見えないようになっている。

全員でなるべく静かに!静かに!とお互い顔を見渡すとみんな吹き出しそうになってる。笑っちゃいけない時ほど笑いたいもんだ。

手慣れたA子が「泊まりで」と答えると小窓から鍵を受け取った。

少し薄暗い階段を登ると小さいドアがあり、鍵をわくわく開けてみた‥

赤い、いや紅い、といった印象。

天井も壁も絨毯もソファーも赤い。パキッとした明るい赤じゃなく、暗い赤。

静脈に流れてそうな血液の赤。すごい表現だな。

もちろんゴージャスさはなく、一生懸命ゴージャスにしてみたけど安っぽくなってしまったような内装。

で、早速探検。

お風呂、やっぱ赤い壁。浴槽は横長く首まで浸かれないタイプ。

どっかでみた事ありげな金色の椅子もある、小さい真っ黒の窓が一応ある。紐を引っ張って開けて見ると一気に現実の世界が見える。お日様カンカン。すぐ近くの通路には草が生えてるし。

トイレは普通の洋式。便座の蓋を開けると「掃除したよ!」という目印の紙がはさんであり、トレペも三角におってあった。まあ、普通。

部屋は八畳くらい?もっと広い?

赤いソファーはもちろん2人がけ。ガラスのテーブルをはさんで正面に大きめのテレビがある。その横は値段、時間、飲み物なんかのメニュー、貸し出しの品物のメニュー表。

ベッドはキングサイズとまでいかないかな。ぱりっと糊がきいてる白いシーツで枕が2つ。

怪しげな鏡が鏡が壁一面に貼ってある。

枕元には照明を微妙に調節できるつまみやスイッチ。有線のリモコン。そしてティシュとコンドーム。

みんなして「おお!これが噂の‥!!!」もちろん開封してみたけど、感想としては「気持ち悪い」ただそれだけだった。

 

さて、ここに来て外せないイベントとして「エロビデオ鑑賞」ってのがあった。

テレビをつけると、とにかくAVだらけ。最初はみんなで騒ぎながら見てたけど段々飽きてきた。だって延々とやってるんだもん。つーかそれしかない。

クラスの男子が「モザイクは目を細めて見るとちゃんと見えるらしい」と言ってたことを思い出してみんなでやってみたけど、とくに何も変わらなかった。

ふとチャンネルを変えるとドラマ仕立てのやつが始まった。これはおもしろそうだ!

いや、しかしいくらドラマ仕立てとはいえメインはエロにしなきゃいけないんでストーリーはツッコミどころ満載。無理やり感が満載。

どうも兄弟で1人の女を取り合うストーリーのようだ。なぜそうなる!?なぜここで踊り出す?!なぜこの女はヒョウ柄のレオタードを着ている!?なぜこのシチュエーションでおっ始める!?これはバカウケだった。

それも飽きて、持ってきたお菓子や飲み物を広げだした。なんせみんながくつろげる場所がベッドしかない。5人で輪になって座った。

怪しい修学旅行気分。でもとくにする事もなく普段と変わらず寝っ転がってくだらん話をしたり、ベットでボヨヨーンとトランポリンしてみたり、置いてあった「2人の思い出ノート」にテキトーにカップルできた設定の感想書いてみたり。「◯くんいつまでも一緒だよ♡」「つきあって3ヶ月の記念に来ました♡」とか。

 

ここは時間の流れが全然わからない。

外との繋がりが遮断されてるのか、窓がないからか?何時なのか?

不思議な気持ちで順番にお風呂に入ってまたゴロゴロ。

まぁ5人もいたらゴロゴロも難しい。だれかソファーに行くか互い違いに寝るか。

誰かが寝だす、寝だす寝だす‥

なんとなく流れる有線番組を聞きながら「たいしておもしろくない」と思った。

 

朝、枕元にセットしてあったアラームで目が覚めた。パンとか食べつつ制服に着替えた。

騒ぎながらもベッドや部屋を片付け、おばちゃんを呼びシャッターを開けてもらって外に出た。

景色が黄色い。徹夜したみたいな感覚。

さすがにホテル街で制服姿の5人組はよろしくないので走って逃げた。

 

夏だったけどまだなんとなく涼しい朝。

何気に真面目な私達は学校に行かなくては、と思ってた。

 

10代の頃いつも「なんか面白いことないかな」って思ってたし言ってたし聞いてた。

非日常を期待して退屈な毎日にうんざりしてた。

だからこんなくだらん事を考えついたんだけど‥その時はバカな事で非日常から抜け出したかったのかな。

 

大人になった今「何か面白いことないかな」なんて思いつかなくなった。

それはそんな事を考えるほど暇じゃなくなったのか、非日常を求める心がなくなってしまったのか、楽しいことなんて毎日あるわけないと悟ったのか。

 

子供の心がそうさせたくだらないできごと。

どんな体験でも無駄な事は1つもない。

 

とりあえず、ヒョウ柄のレオタード着たお姉さんが出てたAVタイトルが「女豹」だったこと、それを友達と鑑賞できたことは貴重な体験だったと思う。